■ イオン銀行の強み
銀行持株会社「イオンフィナンシャルサービス株式会社」の子会社であるイオン銀行は、全国のイオンモールの中に有人店舗を出すことができるため、日本中に十分な拠点数を有していることが最大の強みです。イオンモールに来場するお客さまが全てターゲットであり、集客するチャンスは他行よりあると思います。また、グループにクレジット、保険、住宅ローン会社があるため、顧客の色々なニーズに対応できることや、普通の銀行が閉まっている夜遅い時間帯や土日祝日も営業できるところも強みです。提携先も多く、ゆうちょ銀行のキャッシュカードはイオン銀行ATMで利用することができます。
■ これからの事業展望
コストのかかる有人店舗によりセブン銀行との差別化を図り、投信販売などによる手数料収入を主とした収益モデルでスタートしましたが、イオンの来客に投資信託を買うような富裕層はあまり居なかったため、想定通りには進みませんでした。これまでは住宅ローン借換需要で何とか成長してきましたが、他行も金利を下げてきている現状、他の分野での収益を生むもの、収益基盤の再構築が必要となっています。現在は住宅ローンの他に法人営業など収益源の幅を広げてきており、また、金融フィナンシャル(銀行、クレジット、保険)全体でシナジー効果の創出を図っています。また、ベンチャーのLiquid(リキッド)と組み、指紋認証だけでATMで現金が引き出せるサービスの導入など、先進的な取り組みも検討しています。イオンカードや電子マネーWAON」など、お客さまのライフスタイルやニーズに合った決済サービスを展開し、近年では「イオンウォレット」をはじめとするモバイルサービスにも注力。より利便性の高いサービスの開発、拡大を目指しています。
金融事業はイオングループが威信を賭けて取り組んでいるビジネスであるため、当面は投資を継続し、何が何でも成功させるつもりだと思われます。